身の引き締まる神前式
私は神前式の婚礼に出席した事は数度しかありません。私の周りの未婚の適齢女性たちにもあまり受けていなかったようです。実際に神前式で結婚した私の周りの既婚女性たちも、密かに(たまに明らかに)教会でウェディングドレスを着たかった、と思っているように見受けられました。が、私が主に結婚式に出席した最盛期は、やはり友人達が次々と結婚していく20代の頃、大雑把に言うと約10年くらい前のことになります。なので、今時の婚姻形式で、意外と神前式も人気がある、という事を聞き、少し時代の流れを感じてしまいます。 私の出席した神前式は、とても厳粛な雰囲気で、ぴんと張り詰めた空気の中、お昼ごはん前の空腹時だけにおなかが鳴ったらどうしよう、としょうもない心配をしなければなりませんでした。相手の親族と目をあわさないように、でも興味津々にどんな人々がいるのか見極めつつ、新郎新婦だけが何度もたくさんお酒を飲んで、私達はちょびっとだけしか飲めないなど、なんとなく居心地が悪い(やはり神様の前だからでしょうか。キリスト教の場合も神様の前ですが、居心地の悪さがないのはなぜでしょう?きっと、キリストは外人なので、日本語で考えていることは理解できんだろう、という油断からでしょうか?)という印象があります。 そのようななんとなく格式の高い、厳かな(言い方が悪いかもしれませんが、堅苦しい)雰囲気の神前式が今時の若い人々に人気が出つつある(それか私は知らないけれど、ずっと、常に人気があったのでしょうか)、というのがいまひとつわからないのです。 神前式について、私が誤解をしていたのは、この、神社に赴き祝言をあげるという形式は、日本の歴史のずーっと以前から大衆の結婚式の定番として続いてきたものではない、という事です。実際、大昔、平安時代は通い婚(いうならば、既成事実を作るように3日間、殿方が妻となる予定の人のところに通い続けてから、結婚したことを発表する)が主流だったそうで、やっと江戸時代の頃に、今のような神前式の基礎のような婚礼が行われ始めたようです。当時の庶民の人々は、自分の家で祝言をあげるのが主流だったそうで、新婿の自宅の床の間に掛け軸や飾り物をし、これらを神様の拠り所と想定し、神様の前で祝言をあげる、という婚礼が執り行われていたそうで、今のように神社に赴き、そこで結婚式を挙げていた事もあったのはあったそうですが、少数派だったようです。現在の婚礼の形になったのは、明治時代に皇族の人々が神社で挙式を挙げたのが始まりで、その模様が全国に伝えられてから、庶民の間の憧れとなり、瞬く間に庶民の結婚式の主流となったという事だそうです。なので、神前式は一時は庶民の心を掴み、一世を風靡したこともあり、またその一番人気を教会での挙式に譲った今となっても、時には細々としながら着実に連綿と続いてきたので、きっと今後も同様に続いていくのでしょう。 きっと私も、20代の頃の若かりし頃に出席したので、さほどの感銘を受けなかったのかもしれません。もう少し年をとった今、厳かに粛々と執り行われる神前式も、日本人らしくていいかも、と思い始めています。がやはり、お腹の一番すいているお昼前が予定されている場合は、事前に少し何かを食べておいたほうがよい、というアドバイスはしておきたいと思います。
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